「ノンアルコールビール」って一体何だろう?
ノンアルコールビールも、「ノンアルコールタイプビール」とそのまま分解してしまうと、新しいアイデアは全く出てこない。ノンアルコールビールは、1985年に「バービカン」という製品を宝酒造が発売されていましたがどうしても製造工程の関係で、0.5%程度アルコールを含んでしまう仕様になっていました。
その後、キリンの研究者が「ビールじゃなくてもいいんじゃないか?」と気づいた。ジュースだったら酒税法からも開放されるし、低価格で販売できユーザーの満足度も高い、飲料水にビール風味をつけたものを作れば良いのではないかと考えた。これがアイデアとしてあって、今の製法(ビールからアルコールをなくすのではなく、清涼飲料水にビールの風味をつける)が出てきたのではないかと思います。
ノンアルコールビールはちょっと簡単な分解の事例でしたが、先の事例同様にユニクロを分解すると、このような内容になります。
同じようにAKBもこの組み合わせになります。ユニクロとAKBは主要な概念と接着剤が実は同じです。
この組み合わせについて説明しますと、まず「ネーミング」。これは「アイデアモデルに与えられる便宜上の名前」という定義で理解していただければと思います。名前を表面的にそのままアイデアと勘違いしがちですので、その点に気を付けましょう。
居酒屋に行って、メニューのビールの欄にノンアルコールビールと書いてあるから、なんとなくビールだろうと思って500円も払って注文するのですが 、実際の仕入れ原価は清涼飲料水なので100円しないのでは・・・思ったより原価は掛かっていないと思います。
100円のものをビールと感じる。本当はビールじゃないんですが。さっきのカメラ付き携帯もそうですが、 ネーミングをアイデアと勘違いしてしまうんですね。
※次回は、「アイデアモデルの解説」についてです。