ジェネリックは薬品だけじゃなくて家具なども
私が今、最も注目しているのが「ジェネリック」という概念です。
これは主に、医療品や薬に対して使われている概念ですが、つまり版権が切れた医薬品の成分情報が開示され、それをコピーして販売しているわけです。例えば青空文庫という著作権が切れたコンテンツの無料書籍サービスなども概念的にはジェネリックです。CDやDVDでもそういう製品が出てきています。また同様の家具製品もありますが、これも著作権の切れたオリジナルの意匠をコピーして格安販売しています。前述のハイブリッドエンジンも2016年で一部の特許が切れるという話があります。そうなると他の会社がコピーして作れるようになる。そのような変化があと数年後にはやってくるわけです。
また最近では自社で所有しない、ソーシャルやオープン、クラウドといった概念もよく使われていると思います。ここで重要なのは、 新しい概念は「外」に存在しているということです。外というのは会社で言えば社外にあたります。例えば会議室でアイデアを出し合っているとき、新しいアイデアは概念が変わらないと出てこない。でも、社内の人間は同じような経験をしている人が集まっている。そうなると概念の組み合わせは起こりにくく、画期的なアイデアは生まれないということになるわけです。
今流行っているものは、その業界内で新しい取り組みをしているところを研究し、既存のアイデアを分解して取り込むか、他の業界で成功しているものを同じように取り込むことをしています。そうしないと「自分たちの会社のサービスとはこのようなものであるべきだ」という既成概念を創造的に壊すことが難しくなってしまうと考えています。
※次回は、「日本はアイデア大国?」についてです。