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ソニー企業株式会社
チーム全員が「舞台めぐり」のアイデアをどう理解していたのか?クリアになって嬉しかった。

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今話題のソニーのスタートアップ。『舞台めぐり』、それはマンガやアニメ、映画といったコンテンツの舞台となる「聖地」へとスマホからファンをナビゲート、公式コンテンツを通じて、その町の人々との交流や経済活動を加速させ、文字通りコンテンツと人の力で「地方創生」を実現しようという画期的なアプリである。様々なメディアで先駆的アイデアとして紹介され始め、今後さらなる進化や展開が期待されている。今回、「アイデア理論ワークショップ」受講で自分たちの製品とはそもそも何なのか?をチームで楽しみながらワーク、原点回帰しながら、将来に向けた『舞台めぐり』のあるべき姿をメンバー全員がアイデアの理解&共有を実現出来た機会となった。今回、受講メンバーの率直な声をインタビューした。

はじめに山岸さんの会社、お仕事について教えてください。

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ソニー企業で、主要プロダクトである「舞台めぐり」アプリの制作進行とライツ管理を行っています。舞台めぐりの新規作品をエンジニアと2人3脚で進めリリースをしています。アニメ版権にかかわるライセンス保持企業さんへの使用許諾交渉や調整、現地イベント企画運営などの細かい事案についても携わっています。

「舞台めぐり」は一言でいうと、どんなアプリでしょうか。

スマホから「自分の好きな作品の世界に飛び込めるアプリ」ですね。飛び込めるというのは、日頃は作品を常に目や耳で楽しんでいるところから、アニメの世界そのものを舞台になっている現地に行って空気で感じたり、その場所で自分がそこに登場キャラと一緒にいる感覚をアプリを通して体験できる、ということです。

なるほど!今回「アイデア理論ワークショップ」を受講されたきっかけは?

「舞台めぐり」のプロジェクトリーダーの紹介で、舞台めぐりチーム全員が研修を受けることになりました。

受講前にアイデア研修を受けると聞かれたとき、どう思われましたか?

アイデア研修って何?って(笑)いったい何をする研修なんだろうっていうざっくりした疑問がありましたが、こういうことするんだろうなっていう具体的な想像もできないまま、当日になりました。(笑)

取りあえず言われて受講、ですね(笑)今までにアイデア系での研修を受けた事はありますか?

自己啓発とか、どうすれば仕事でやる気が出るかみたいのものです。あまり具体的にアイデアを使うかみたいなところも、ここまで分解してやったことはなかったですね。今までは有名な人の講演とかノウハウ的なものを聞くだけでしたから。

実際、受講してみていかがでしたか? 違いはありましたか? 今回、「舞台めぐり」を分解いただきましたね。

リーダー以外、チームでは世に言う「マーケティング」経験者がいないので、こういった分解をしていくことで「舞台めぐり」の狙いやターゲットを、ベーシックな部分から改めて確認することができました。ヒット商品や面白いもの出る時は基本的に「まずはどうなんだろう、何がしたいんだろう」っていうことからコンセプトとしてしっかりと決めるのが大事だという意識をチームで共有できたのは、非常に良かったです。

「舞台めぐり」では、マーケティング未経験者がマーケティングするのもアイデアだと。だからこそ、今回のアイデア分解とチームでの意識共有が良かったのでは?

私自身以前広告代理店で少し在籍した時の経験は少しだけあるのですが、前例に囚われずに基本的な部分から組み立てて、ビジネス的に膨らませていくマーケティング活動こそが面白いと考えています。今回の研修で基本こそ凄く大切だと思いました。ここまでシンプルにまとめたものは実はないかな、と思っています。メンバー全員が頭の中に「舞台めぐり」についての理解はそれぞれあるんだけれども、なかなかそれを共通で理解する場が無かったのも事実。今までは具体的に何をやるためのアイデアというところにすぐに入りがち。日々忙しいので、そういうところが抜けている部分への問題意識が今回クリアに出来たので、凄くよかったなと思います。

チームでのアイデア理解がクリアに出来たと!研修を受けてみて最も新鮮だったのはそういった点でしょうか。

はい。研修を受けて、毎日一緒にずっと何時間も仕事をしているのに、チームみんながこのアプリをどういうふうにとらえていて、何が1番柱なのか?、どういうものを提供したいか?、そのコンセプトや思いの部分の捉え方がメンバーそれぞれで違っていたのだと感じました。

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新鮮ですよね。日々顔合わせてるんだけど、意外とそういう話をする機会がなかったと?

皆忙しく各々ミッションをこなす日々で、機会がなかなか実際に無かったり。リーダー(安彦氏*)が勿論最初に明示されて、そこを中心に動いていますが、日々それとはまた違ったかたちで動きがある中でみんなそれぞれの思いやアイデアを加えて活動するなかでズレも発生しやすいと感じました。私とリーダーは一緒のコンセプトで基本動いてるつもりではあるんですけど、今回のワークで違っていた部分を発見出来ました。

まさに「アイデア理論ワークショップ」でのベネフィットである「チームでのアイデア共通理解&違い共通理解」ですね。山岸さんは一方、アプリ制作進行としてリーダー発のアイデアをメンバー共有し、対外的に伝えていく点ではいかがでしょうか。

そうですね。常に「舞台めぐり」の魅力は何なのか考えています。「舞台めぐり」の良さや様々な楽しみ方をアイデアとしてをみんなで情報交換する場が大事だと思います。魅力やアイデアをみんなで共有し、楽しみ方を発見し、把握理解するところから、新サービスとかアイデアを組み立てていきたいと思っています。対外的にも正確に伝えていくところでも活用できそうですね。

暗黙知で微妙にズレるのは世界中のどこの企業でも同じですね。最初はリーダーから、コンセプト&アイデアの具体的な内容についてシェアがあり、チームとして活動が開始しながら、日々業務が変化する中で、メンバーの意思疎通が、ともすれば業務に偏りがちになり、そのコンセプト本来何だったとか、暗黙知になってしまってるところが、今回皆さんそれぞれ微妙に違ってきているところも含めて確認できたということでしょうか

日々オペレーションを行っていく中で、チームそれぞれのメンバー毎に役割も個性も違いますので、それぞれ大事だと思ってることが、認識合わせをする時間がなかなかない中ではやっぱり違ってきたりしたのかなと感じました。

そうですね、一人一人違いますものね。それは極めて自然ですし、今回認識合わせも出来たことは素晴らしいと思われます。受講される中で1番難しかったことや苦手みたいな気付きはありましたか?

インプットがないとなかなかアウトプットはできないと思いました。自分の持ってるものとか、どれだけ素晴らしいアイデアを出せるという仕組みや環境があったとしても、やはり自分の中に既に経験していて、知識としてあるものしか出てこない。あるきっかけで何か掛け合わせて面白いものが生まれることもありますが、その組み合わせる要素となるものを決定するのは自分の体験したものでしかないと感じました。その意味でもやはり個々の人の個性や多様性のある」タレント」が非常に重要だと感じています。同じものを見てても感性は人によって違うので。

受講されて1番役立ったこと、これは活かせそうと思われた気付きみたいなものありますか?

メンバーそれぞれの理解の相違を認識出来ました。普段は暗黙知になりがちなのですが、こうして皆で「舞台めぐり」のアイデア分解をしたり、発言することで、それぞれのアイデアの違いや、自ら発言しようというモチベーションが出てきたり、自分がチームにもっと貢献できる役割があるって意識が強くなったんじゃないかなっていう気がします。

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リーダーのアイデアだけに頼るのでなく、チームメンバーそれぞれがアイデアを理解しようという刺激ですね。

リーダーは凄いアイデアを出してくれるんですが、リーダー自身、それ全てが正しいと思って言って訳じゃないと思うのです。なので私たちのアイデアに対する理解や、反応がどうかとかっていうことも非常に大事だと思いました。私たちが率直にどうかって聞かれたりとか、率直にどうだろうねってもんでみることが、多分チームとして必要ですが、あまりそれができてなかったので、今回できるようになる環境やきっかけが少しできたのかなとこの研修を受けて感じます。

スタートアップの企業はとてもそれが大事だと思われますがスタートアップに限らず、大企業である程度安定してる企業でも、それが出来ているところはあまりないように思われます。最も難しい課題に、今回みなさんがスピーディーに気が付けていただけたんじゃないかなと。

そうですね!チーム全員がそう思っているかどうかは、勿論聴いてみなければ分かりませんが(笑)

アイデアが秀逸&複になるとなかなかさっと理解しにくい場合もありそうです。それを出来るだけシンプルに理解をする為にも「アイデア理論」は使えるツールにしていただけます。

それは凄くあると思います。リーダーって本当に頭いいな(笑)って思ってまして、いろんなことが頭の中にポポポポンってあるのかなと思ってて(爆笑)。それをうまく説明するのは本当に難しいというか、多分一つのアイデアがあってもいろんなものが多分それを複層的に取り巻いていて、一言であまりうまく説明が出来にくくて、それをうまく引き出すためにどうしたらいいかなとかっていうのは、みんな多分思っていることだと思います。(笑う)

アイデアが高度であればあるほど多様かつ複雑なものが組み合わさっていて、それをシンプルに理解するのが結構難しいんだけどもっていうところですね。

私はシンプルさが必要なものというかシンプルなもの、シンプルじゃないもの、シンプルにできないものが世の中にあるのかなと思っています。リーダーの考えるアイデアや企画は物事をいろんな角度から見ていて、魅力が一つだけじゃないところを指し示しているので、どれを取ったらいいのかなとか、どこを1番フォーカスしていけば良いかを今回の分解シートを使い、複雑なものをシンプルに理解するために可視化するにはいいですね!

実際「舞台めぐり」は複雑なアイデアですね。様々なプレーヤーが絡んでいますし、恐らく20歩先を読むみたいなイメージですね。ユーザにはシンプルで良いのですが、運営側にはタフなアイデアです(笑)運営メンバー一人一人、デザイナーさん、エンジニアさんのパートナーさんなども含めて理解するときに使っていただければ。山岸さんのようにいつも忙しいし、なかなかこういう話できない、でも話したい!と、そういう悩みを抱えてるチームは多いと思います。

私も多いと思います。スタートアップのベンチャーでは同じような悩みを抱えてる人は多いのではないでしょうか。私も一社前でもベンチャーだったので、意見が強い人がやっぱりすごい多くてそういう傾向がありました。そこが課題なのは体で分かっていたので、何とかしなきゃっていう問題意識は強く持っていました。その意味で今回、リーダーには機会をもらえたので感謝ですね

今差し迫っている危機感があればあるほど、気付きが早いですね。

それで駄目になっていくのを私は見ているので、危機意識はあります。ただ研修を受ける事によってポジティブに自分がやらなきゃなって思いました。自発的な意識がみんな大きくなったというのは、少なからずあるとは思います。

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何か次回以降山岸さんから、こんなのあったらいいよね、みたいな期待する点とか。こういう内容のワークをやってみたいよねとか、こういう達成ができるようになりたいとか、ゴール的なもので次に受けたいものを教えてください。

チームとして足りないものが何なのか理解できるような研修ができたらいいですね。時間なのか、人的リソースなのか、コミュニケーションなのか、お金なのか?何が足りてないかをを理解するところから始まるイメージですね。そこは多分、一つだけじゃないと思いますが、この問題意識の共有が課題です。危機意識のポイントがみんな多分違う。相手が何を問題に思ってるかっていうの吐き出す場所を確保する場としてのアイデアですね。

実にどの企業でも足りないものは当然あると思いますが、それをきちんと理解して、逃げるのではなくきちんと理解をして、そのうえで、しかるべき対処をしようとメンバー全員が自覚ができて、次のアクションにつなげるための基礎的な意識にできるみたいなことでしょうか。

そうです。よくあるプロジェクト、次の期に向けての話し合いで、そのプロジェクトが課題と評価を一歩ずつ話していくようなものでなく、個々人の問題に対する意識を、全員分出して、そこで目線を揃えることが大切なのではと思います。

なるほど、非常に重要な視点ですね。山岸さんが今後やりたいことについてお聞かせください。

世の人の役に立つことがしたいと思っています。私はもともとアニメとITのコンテンツの仕事をやりたいと強く思ってたっていうのでもなく、もともとオタクっぽかったんでこういう仕事にご縁がありました。自分に何が向いてるのかっていうことが自分ではあまり分かっていない中ではありますが、オタク過ぎない視点を生かしながら「舞台めぐり」でさらに地域貢献できるビジネスを成長させていければと思っています。

「舞台めぐり」はコンテンツツーリズムという新しいアイデアに溢れたプロダクトだと思います。ぜひアイデアをメンバー全員で理解していただいて、さらにご自身の目標でもあるコンテンツとITでの地域貢献というライフワークを実現されるべく、チームの皆さんとご活躍いただければと思います。ありがとうございました!

 


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