ひらめき財団 > 導入事例 > インテリジェンスビジネスソリューションズ
インテリジェンスビジネスソリューションズ
「ファスト」サービスを「コンセプトモデル」的に構築、新事業をスピーディーに立ち上げられました。
「ファスト」サービスを「コンセプトモデル」的に構築、新事業をスピーディーに立ち上げられました。

「アイデア理論ワークアウト」受講後インタビュー

インテリジェンスビジネスソリューションズ

小泉雄(こいずみ たけし)

「Fast Solution/Fast BPO*」**
アイデア理論を活用しながら“BPOクラウドソリューション
サービス”開発を実現。

インテリジェンスビジネスソリューションズ様における新規事業チームのコアメンバー様に「アイデア理論ワークアウト」を受講いただきました。今日は、その担当を担っていただいた小泉さんに「アイデア理論」をその後、どうビジネスに活用されたのか?お話を伺います。まず「アイデア理論」に興味を持ったきっかけを教えてください。

2013年3月までアウトソーシング部門の事業企画責任者を担当、たまたまその時にひらめき財団のメンバーからアイデア構築手法についてのお話を伺い、「アイデア理論」を知りました。担当していた事業企画部門にはコンサルティング部門とマーケティング部門があったのですが、社としてそれまで取り組んできたリーマンショック後のV字回復プロジェクトも軌道に乗り、ともすればオペレーション的な動きに偏りそうになっていたこともあり、効率のみでなく効果を出せるブレイクスルーを図りたいと強く考えていました。そこでコアメンバー向けにワークアウトをプランし、「アイデア理論ワークアウト」を実施いただきました。まあ、自分自身の好奇心というか、興味も高かったのが理由でもあるんですが(笑)「概念」「接着材」「既存アイデア」という組み合わせからアイデアを構築していく、アイデア構築に再現性を持たせる今までに無いフレームワークに感銘を受けました。これは企画で使えるなと!

「ファスト」サービスを「コンセプトモデル」的に構築、新事業をスピーディーに立ち上げられました。

その後、実際ビジネス現場で「アイデア理論」をどう活用していかれたのでしょうか?

その後、2013年の4月に企画セクションから新規事業開発セクションに異動。新規事業開発とはいうものの、既に事業アウトラインが固まった状態からの参画で予算も、やることの大枠もこれでやってほしいという状態での参画でした。私の役割はその新規事業をサポートして立ち上げる、つまり収益化を素早く遂行するというミッションがすでに決まっちゃってたんです(笑)。


新規事業というのは「Salesforce」というクラウドサービスのプラットフォームを使った新ビジネス。企画起点としては、「Salesforce」を扱えるエンジニアが市場に不足しており、人材サービスとして高付加価値人材を育成、大手SIに高付加価値エンジニアとして提供することで新マーケットを作るという内容でした。ちょうど競合他社も「Salesforce」を生業とする外資との合弁会社を立ち上げたばかり。企画提案内容については残念ながらというか、その時点では競合企業のアイデアの域を出ない内容でしたが、方向感としてはそこにマーケットがあり、人材が枯渇していて技術者も少ないため、収益性も見込めるのではと一見間違っていないように見えた事業モデル的アイデアでした。


一方、事業化段階で疑問がありました。そこで働く人たちの仕事に対するインセンティブとモチベーションのこと。当然、対顧客、対会社の観点から人材提供モデルは妥当性のある内容でしたが、働く人たちは、なぜ私たちの事業に参画するのかという理念や意義が薄い。一人で仕事をするならともかく、優秀な人材層であればわざわざ私たちのようなITや技術色も薄く、かつ「Salesforce」も始めたばかりという企業に転職する理由がない。そこでまず「本当にこのビジネスをこのまま進めていいのか?」とゼロから検証することから始めました。

「ファスト」サービスを「コンセプトモデル」的に構築、新事業をスピーディーに立ち上げられました。

なるほど、「アイデア理論」でいうところの「コンセプトモデル」から事業のコンセプトをゼロから見直したということですね。具体的にはいかがでしたか?

相当時間も限られており並行準備として採用、営業活動を始めてみるとやはり当初考えていた想定通りにはことは運びませんでした。まず技術者に求めるレベルが高かったこと。対面上では「Javaのプログラミング経験があればOK」という触れ込みでオーダーをいただくものの、実際に伺ってみると、「Salesforce経験が必要」だったり。やはり大手が要求する事項なので人材層のレベルであれば「一人請負」成立するような人を求めていたんですね。当時すでに人材マーケットは活況で、売り手市場にもなっていたことからSIでは、とにかく人集めのためにバーを下げてより多くのベンダーに声掛けをすることでチャネルを広げる作戦に出ていたわけです。営業活動に苦戦する一方、Salesforce社のアライアンス担当からも比較的厳しめの評価をいただいていました。端的に言うと、経験も、技術もサービスの特徴もないので、「Salesforce」を利用されるお客様が私たちの会社に発注する意味がないと。当初人材調達力、すなわちSIへの人材供給力が私たちの強みで始めたサービスだったものの、Salesforce社から見ると、大手SIの2次請け人材提供型ベンダーにサポートする体制どころか必要性が全くない。志の高い技術メンバーの採用を苦心して進める中、やはり事業の方向性を問い直すタイミングだと決断しました。

では、当初立てられていたコンセプトでは何が問題だったのでしょう?

元々の私たちの事業の強みは「アウトソーシング」の事業。よく業務代行と混同されるのですが、業務代行とアウトソーシングの大きな違いは、導入前段階のコンサルティング、導入時の業務プロセス設計まで込みでお客様にサービスをご提供できる点。弊社ではこの事業に十数年間携わっており、その中で生み出してきた業務設計やコンサルティングのノウハウがあります。当初、立上げメンバーにもこの強みを活かした方向性で事業を組み立てるべきというコンセプトのアイデアもあったのですが、収益化の期間が短い人材提供型モデルでまず収益化を目指すべきという「アイデア理論」でいう「実現モデル」によるコンセプト傾倒が社内的にも大きく、これに引っ張られる形で事業が組み上げられてしまっていたのですが、人材提供型での事業運営には下記のような問題があることが改めてわかりました。

  • 人材提供型モデルのため、サービス自体に特徴がなく、Salesforce取扱いとしても後発のため差別化しにくい。結果としてお客様に選ばれにくい。
  • サービス対象が直接エンドユーザではないため、エンジニアが本当に目指したい顧客体験を得られにくい。(結果として:以下)
  • 派遣型で、かつ1人または数名でサービス提供を行うモデルのためチームとしての一体感を持ちづらい。結果として士気の低下につながりやすい。


他にもいくつかの問題がありましたが、「お客様に私たちが提供するサービス選んでいただく」、そして「メンバーが事業やプロジェクトにコミットしてはたらく」事業を運営するためにはどうすべきかということを、再度考える必要が出てきました。

「アイデア理論」はそこでちゃんと活用できたのでしょうか?

「もう一度事業をどの方向に導くべきか」という命題について考えていくときに、起爆剤となったのがまさに「アイデア理論」でした。ある日の定例会で、現在の問題点をチーム内で再度認識し直した後、実際に私たちが提供できるサービスや強みを元となるアイデアをまずは今迄のやり方、ブレストベースで抽出。インテリジェンスでは、ITアウトソーシングや、セールス領域のアウトソーシング、公共事業領域のアウトソーシングを手掛けてきたこともあり、まず最初にこれらの概念が出てきました。アイデア理論でいうと「実現モデル」です。これは比較的簡単に考案できたのですが、その上の上位概念、すなわちコンセプトの元となる部分をどう抽出するかについて「アイデア理論」を参考にしながら、数回ミーティングを実施し、「コンセプトモデル」として最適な概念でアイデアを構築しました。


これまで内外ともにお客様から選ばれてきた「人と組織」「業務プロセスの設計」の部分の強み。これに今回加えたい新たな強みとしてのクラウドソリューション。この背景には長い間、素早く効果の高い業務効率化に向け、人や業務といったアナログ的要素とそれを自動化するしくみの部分でのITの融合を目指してきたものの、実態としてできていなかった事実がありました。アイデアを抽出、整理していく中で「ファスト」という概念で構築した「Fast Soution/Fast BPO」というコンセプトができました。「アイデア理論」では「ファスト×特化型×ソリューション/BPO」と表現出来ます。

「ファスト」サービスを「コンセプトモデル」的に構築、新事業をスピーディーに立ち上げられました。

なるほど最新「アイデア理論」で提唱する「コンセプトモデル」で言うと、「スピード立ち上げ×をしたい法人向け×クラウドソリューション」となりますでしょうか。

まさに。これはソリューションが入口でも、BPOが入口でも最終的には「お客様のビジネスの成功の効率的、効果的なご支援を行うサービスである」という風に自社事業を「ファスト」概念を使う事で客観的に定義し直すことができたことがポイントだったと考えています。アイデアモデルを利用して要素分解しなければ、これほどクリアに事業モデルを整理し直すことは難しかったのではなかったかと。


アイデア理論の内容は極めてシンプルですが、シンプルゆえに強力で、かつ誰にでも利用できるというところがすごいところだと考えています。また今回のようにグループワークで知恵だしする中で、結論ありきでなく、自分達の事業を極めて冷静に、かつ客観的に、そしてクリエイティブに組み替え、チーム内の見ているものを共通言語化していく過程で、コンセプトそのものをアイデア構築するみやり方はビジネスとしてチームをまとめながら、成功を実現するためにも非常に効果的だと思いました。

一見遠回りに見えながら、事業コンセプトを「アイデア理論」を駆使しながら見直したことで、事業アイデアが明確化され、メンバーの共通認識も出来たということですね。

はい!こうしてサービスコンセプトを再度策定したところから事業は大きく舵を切りなおされました。それまでは旧来の人材派遣型モデルをやってでも、事業目標をクリアするという流れだったチームが、新コンセプトを固めてから、提供すべき事業価値が明確になったことで自分達でサービスを作っていくことや、対外的な発信メッセージを明快に統一することができました。また、新コンセプトのもとにいくつかの付帯サービスが誕生し、さらにチーム内の結束が高まり、自分達が提供するサービスのイメージが少しづつではありますが、明確になってくるようになりました。

「ファスト」サービスを「コンセプトモデル」的に構築、新事業をスピーディーに立ち上げられました。

順風満帆のように見えた事業推進でしたが、やはり事業化への道のりは険しく、しばらくは自分達が定めた方向性が本当に正しかったのだろうかと迷う局面も正直ありました。ところが年末段階でのBPO系領域からのご提案とサービス提供実績の実現を皮切りに自分たちの提供するサービスの方向性に対して、徐々にお客様からの評価を得られるようになってきました。年末年始には、大手SIとのRFP調達案件で大型コンペを見事このコンセプトで勝ち抜き、「業務設計」「組織運用」「クラウド」といったコンセプトをご理解いただけるお客様から大型の受注を実現することができました。

受講時は「アイデア理論」提供初期にもかかわらず、既に研究最新の成果である「コンセプトモデル」を駆使しながら、チームの結束とお客様へのサービス受注を実現されたとは素晴らしいですね。最後に「アイデア理論」についての期待などありましたらぜひ教えてください。

ハードロジックで闘える時代はもう終わっていて、自分たちが腹の底から楽しみながら、アイデアとしての価値コンセプトを構築していくことが最も重要だと考えているんです。最新の「アイデア理論ワークアウト」では、ダイスを駆使しながらまるでゲームのようにアイデアとしてのコンセプトを正しく構築出来てしまうわけで、素晴らしいと思います。チームの武器としてさらに活用すべく、今後もさらなる研究の進化を期待しています!


– 参考 –

BPO 【 Business Process Outsourcing 】 ビジネスプロセスアウトソーシング
自社の業務プロセスの一部を継続的に外部の専門的な企業に委託すること。案件ごとの外部発注や業務委託などと異なり、その業務を専門的に手がける事業者が自ら企画・開発、人員・設備の調達、運用・管理を行なっているサービスを必要なだけ購入するようなイメージとなる。企業によって内容があまり変わらないか、競争力に大きく影響しない業務が主な対象で、総務・間接部門の業務や、コールセンター、配送・流通などで実施される例が多い。BPOを利用することにより、自社の競争力の中核となる重要な業務に人材や資源を集中できるほか、非中核的な業務に固定的に張り付いていた人員や設備などを変動費化し、企業規模や業績などに応じて柔軟にコントロールすることができるようになる。
(IT用語辞典より引用)


「Our Concept = Fast Solution/Fast BPO」
インテリジェンス社による説明)
私たちがご提供させていただくサービスは、お客様のビジネスや業務を起点に据え、BPOやITアウトソーシングで培ってきた業務プロセスの設計、組織運用力のHow toに、PaaSを利用した支援システムの早期導入をコンセプトに、よりクイックにお客様が求めているサービスを実装いたします。手早く業務プロセスやシステムを構築し、継続的な改善・成長を通じて成果につなげるアウトソーシングサービス、“Fast Solution/Fast BPO”のコンセプトを通じて、お客様のビジネスの成功を効率的、効果的にご支援します。

http://www.ibs.inte.co.jp/service/newsolution-service/cloud-solution/

法人向け研修情報へのお問い合せにつきましては、お問い合わせフォームにてご連絡ください。
facebook