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パナソニックCBCプロジェクト
チームでアイデアを自然に楽しく組み立てられるのが新鮮でした。

「アイデア理論ワークアウト」受講後インタビュー。パナソニックソリューションテクノロジー株式会社、谷口正記さん

革新的な経営を展開するパナソニックグループにおける、まったく新しい試みとしてのプロジェクト「CBC=Cloud Business College クラウド・ビジネス・カレッジ」とは、部門異動に際しての人材教育をベースとしながら、パナソニックの新たな事業開発の可能性を紡ぎ出す才能を再発見する極めて実験的な研修プロジェクトだったとも言える。その中で、「アイデア理論ワークアウト」がイノベーティブなアイデアを構築するための手法として選ばれた(前記事参照)ことは非常に興味深いと言えよう。
今回は実際にCBC研修メンバーの生の声を伺う機会となる。

谷口さんについてまずお伺いしますが、現在どのようなお仕事を?

現在はカスタマーリレーション部門でアフターサービス業務に携わっています。
具体的にはeラーニングやWEBでのリアルタイム会議ソリューションなどの製品に関するクライアントからのフィードバックを分析して、マニュアル等のサービス改善コンテンツに活かせるようにチームで動いています。
クラウド・ビジネス・カレッジ=CBCに参加した後に正式に現在の部門に配属となりました。

谷口さんが「アイデア理論」を知られたきっかけは?

今回のCBCでの参加がきっかけそのものです。現在はパナソニックソリューションテクノロジーに配属されていますが、着任前のジョブチェンジ研修ということで受講をしました。アイデアについての研修ということで受講が楽しみでした。

受講前のインプレッションはいかがでしたか?

まずアイデアとはいわゆる何もないところから出てくるものとイメージでは考えていました。自分の知識のベース以外のところから発想するという風に考えていました。
例えばまったく経験したことがないことについて、あるお客様(ペルソナ)をまず発想して、そこからアイデアをゼロから肉付けしていくというようなイメージです。実際に受講してみるとそれがちょっと違うことが解りました。

その違う点というのは具体的にはありますか?

アイデアというのはゼロから考えるものと思っていたんですね。違う点とは、あくまでも今既に世の中にあるものをベースにして、組み合わせたり、応用することで新しいアイデアに展開したり、構築できることを学びました。
今あるサービスに、新たな視点を組み合わせることで違ったサービスにできることや、そのことで新たなお客様に対応できるなど研修を受けて感じました。

そうしたアイデアについての違いを感じられた点を今までなさったことは?

私は入社してから30年間、デバイスの開発をやってきたのですが、扱う製品とお客様が固定されて繋がっていることが多く、異なる視点で見るというよりは、「もう少し使い勝手がいい」的な改善や修正という比較的固定されたアイデアを扱うことが多かったので、こうした経験は新鮮でした。

実際に研修を受けてみられてのインプレッションはいかがでしたか?

新鮮というのが一番でした!こういう思考法があったのだという点で非常に新鮮だと。

実際にアイデアは出ましたか?

誰に向けてのサービスなのか?どのようなサービスを開発するのか?というポイントからアイデアを構築していきました。我々のグループでは最終的に7つほど最終案を構築しました。アイデアもたくさん出ましたので、今までにない経験をしたと思います。
僕が提案したのは、「シニア向けのセンシング機材」です。一人暮らしの高齢者の方が日々の生活の中で元気で暮らしているかどうか?様々なセンサーを活用して、別の場所で暮らしている息子さんなどにメールやチャットなどで情報配信するようなイメージですね。今までは、職業上、細部に目を凝らしていくようなアイデア出しは得意なのですが、抽象度を上げる訓練を研修の中でやった印象は、なかなかこれは難しいなということに気づきました。

研修では「抽象度を上げる」ワークを実践されましたが如何でしたか?

はっきり言って、抽象度を上げるワークが私には一番苦手な作業でした(笑)どうしても小さいところに小さいところに意識が行ってしまうので。ターゲットがはっきり解っていて、割と具体的なイメージがつきやすいお題にはみんなアイデアがどんどん出るのですが、それをどんどん抽象度を上げようとすると「発散」してしまって、アイデアが絞れないという印象でした。これを体感出来たことも良い経験だったと思います。

最も難しい抽象度操作からアイデアを観ていただける体験ですね。その後、谷口さんはじめチームの皆さんは、チームで構築してみたアイデアについてレビューを依頼されに、わざわざ財団代表理事の福井のアトリエにまで行かれたとか?

チームで纏めてみたアイデアだったのですが、ユーザや自治体さんに対するベネフィットや、具体性がうまく明快に説明できなかったりすることがあり、一度SNSについてのリアルなビジネスとして広げることができないかという目論見で福井さんのところに教えを請いに伺いました。

アイデアを実現するための、アイデアについての再考察ですね。

福井さんはおっしゃっておられたのは、「回覧板」というヒントです。なぜこのハイテクな時代に「回覧板」がなくならないのか?という命題でした。つまりより抽象度を上げたかたちです。その問いかけをいただいて、ハッと気付きました。つまり昔からずっと続いていて、無くならないものに価値があるのではと。そういうものをリストアップしてみることにしました。お年寄りにとってどういうものであれば、違和感なく親しみを持ってもらえて、受け入れてもらえるのかということですね。あれから時間も経って、まだ結論がアイデアとしては固められていないのですが、やはり中小企業ができることをパナソニックがやっても負けてしまう、パナソニックにしかできないことをアイデアとして検討するべきだとのアドバイスをいただきました。

やはり抽象度を上げての再考察だったようですね。最終的には纏まりましたか?

はい、中小企業向けのサービスとして最初はイメージしていたのですが、果たしてそれを我々が行うべきなのかどうか?まで再考した結果、再度練り直しています。我々が他でできることを真似しても、すぐに抜かれてしまうので確かにそれは一理あると感じました。
3時間にわたるセッションでしたが、研修で学んだことを実際に生かすためのトレーニングとしても非常に勉強になりました。資金をどう集めるのか?アイデア実現のための「実現モデル」ですね。

アイデア理論ワークアウトで実戦で即使えるなと思われた点などあれば?

それまでも漠然とは思っていましたが、ターゲットとなるお客様を見る視点がより明確になる点ですね。その視点を明確にした上で、アイデアを検討できるようになることです。アイデアとして成立させるには、ターゲットとなるお客様の欲求をどう満たすのか?ここからアイデアを検討するところが気に入っています。今でもお客様のリクエストが発生している背景についてきちんと検討することができるようになったと思います。

今回、7時間にわたるワークアウト研修を受講いただきましたが、今後こういうものがあればという要望リクエストなどあれば。

どちらかというと、一つ一つの研修というより、全体の中でこの研修がどういう位置付けになるのかというパッケージとしての流れが明確になると良いと思います。カリキュラムの組み立ての中で「アイデア理論」が今回、CBCで最初の方にレイアウトされていたのは良かったのですが、応用編的なものを中盤以降で設定実施してもらえると、より強力な効果が出た可能性があると思いました。そういう意味ではアイデアを再定義して、構築していくための今回の研修のような仕掛けと併せて、出たアイデアを実現に向けて具現化していくセッションを研修化していただけると強力になっていくと思います。私自身は今後、グローバルな部門に取り組む可能性がありますので、今後も活用していきたいと思います。

本日は有り難うございました。谷口さんのご意見も活かさせていただきながら、引き続きお役に立てるよう、一同取り組んでまいります。

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