アイデアはゼロから生まれない、という事実
今までの事例をみると、【アイデアは「アイデア×アイデア」ではない/また0から1ではない(なにもないところから急に生まれるものではない)】ということが見えてきたと思います。つまり、アイデアには必ず参考にされている「既存のアイデア」が存在していると考えられます。
そのことを正しく理解するためには既存のアイデアを「分解」する作業が必要になります。また、既存のアイデアを分解できるのであれば、分解したものを再構築することにより、新しいアイデアを考えることも可能になります。そこには数学の公式のような法則性が存在し、誰であっても同じように再現性を有するのです。
この仕組みをマスターすることによって、新しいアイデアを生み出すことができるようになるのではないか、という仮説のもとに生まれたのが「アイデア理論」なのです。科学的に解明することができれば、世の中が変わるのではないかと期待しています。では今から、その「理論」を具体的に紹介したいと思います。
アイデア方程式「アイデアモデル」大公開
「アイデア=概念n×接着剤n×既存のアイデア」
アイデアには概念が複数存在していて、それを既存のアイデアと組み合わせるために「接着剤」が必要だと考えています。
複数存在するという考えを「n乗」と表現しているのですが、ちょっとこれだとピンとこないと思いますので、目に見える形にして表現をしてみます。
立体的に可視化したイメージにすると分かりやすいので「キューブ」と名づけたのですが、アイデアの対象となるアイテムとして一番下に置かれている、この「アイデアキューブ」というのは、アイデアを考えるときは必ず一つしか存在しません。それに対して「概念キューブ」と「接着剤」は複数存在する。そしてアイデアの名称として「ネーミング」が必要となる。
この4つの要素でできている構成モデルのことを「アイデアモデル」と、アイデア理論の中では呼んでいきます。ちなみに複数の「概念キューブ」の組み合わせを日本では「コンセプト」と呼んでいることが多いようです。
先ほどの「カメラ付き携帯」を、この「アイデアモデル」に当てはめてみるとカメラ付きケータイというはネーミング。撮影機能×付き×携帯電話というアイデアになります。当たり前といえば当たり前なのですが、ここではカメラそのものでなく撮影機能が「概念」になることに気付くことがとても重要です。
さらに面白い事例を見てみましょう。
※次回は、「ノンアルコールビールは本当にビールなの?」についてです。